2025/03/25 15:22

コーヒーの味わいを決める大切な工程のひとつが「精製」です。収穫したコーヒーチェリーからコーヒー豆を取り出し、乾燥・発酵などの処理を行うことで、最終的な風味が大きく変わります。

今回は代表的な精製方法をご紹介します。


1. ウォッシュド(ウォッシュト)プロセス

水を使って果肉を取り除く精製方法で、クリーンで明るい酸味が特徴。

工程

  • 収穫後、水に浸して未熟豆や異物を除去

  • 機械(パルパー)で果肉を取り除く

  • 残った粘液質(ミューシレージ)を発酵タンクで分解し、水洗で除去

  • 洗浄後、天日乾燥または機械乾燥

特徴

  • クリーンな味わい

  • すっきりとした酸味


2. ナチュラル(乾燥式)プロセス

果肉を付けたまま乾燥させる伝統的な方法で、フルーティーな甘みが特徴。

工程

  • 収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥

  • 数週間かけて攪拌しながら均等に乾燥

  • 完全に乾燥後、脱穀して生豆を取り出す

特徴

  • フルーティーな甘さ

  • 豊かなボディ感


3. パルプドナチュラルプロセス

ウォッシュドとナチュラルの中間で、甘みとクリーンさを兼ね備えた精製方法。

工程

  • 収穫後、果肉を取り除くが、ミューシレージを残した状態で乾燥

  • 均一に乾燥させるために頻繁に攪拌

  • 乾燥後に脱穀して生豆を取り出す

特徴

  • 甘みと酸味のバランス

  • クリアで飲みやすい


4. ハニープロセス

ウォッシュドとナチュラルの中間に位置し、ミューシレージの量によって風味が変化。

工程

  • 収穫後、果肉を取り除くが、ミューシレージを一定量残す

  • 天日乾燥しながらゆっくり水分を飛ばす

  • 乾燥後に脱穀し、生豆を取り出す

バリエーション

  • ホワイトハニー(ミューシレージ少なめ)

  • イエローハニー

  • レッドハニー

  • ブラックハニー(ミューシレージ多め)

特徴

  • ナチュラルの甘さ + ウォッシュドのクリーンさ

  • コクのある味わい


5. アナエロビック(嫌気性発酵)プロセス

酸素を遮断した環境で発酵を行い、ユニークな風味を生み出す方法。

工程

  • コーヒーチェリーを密閉タンクに入れ、酸素を極力排除

  • 発酵が進むことで独特の香りや風味が生まれる

  • その後、ナチュラルやウォッシュドなどの手法で乾燥

特徴

  • ワインのような複雑な香り

  • フルーティーで個性的


6. スマトラ式(ウェットハル)プロセス

インドネシアで広く行われる独特な方法で、スパイシーな風味が特徴。

工程

  • 収穫後、果肉を除去し短時間の発酵

  • 半乾燥の状態で脱穀

  • その後、天日乾燥を続けて最終的に乾燥

特徴

  • スパイシーでアーシーな風味

  • 豊かなボディ感


まとめ

精製方法によって、コーヒーの風味が大きく変わる。

  • ウォッシュド: クリーンで酸味が際立つ

  • ナチュラル: フルーティーで甘みが強い

  • パルプドナチュラル / ハニー: 甘みと酸味のバランスが良い

  • アナエロビック: ユニークで複雑な香り

  • スマトラ式: スパイシーでボディ感がある

自分好みの精製方法を見つけて、お気に入りのコーヒーを楽しんでみてください。