2025/04/01 23:13
ブラジルでのコーヒー栽培は18世紀に始まり、19世紀には世界最大の生産国となりました。豊かな土地と温暖な気候に恵まれ、大規模な農園経営が発展。現在も世界のコーヒー生産量の約37%を占め、世界最大のコーヒー生産国としての地位を確立しています。
ブラジルコーヒーの特徴と生産地
ブラジルのコーヒーは、ナッツのような風味、チョコレートの甘さ、控えめな酸味が特徴です。特にナチュラル精製が多いため、ボディがしっかりしつつも甘みが引き立ちます。苦味がマイルドで、ブレンドのベースとしても人気があります。
代表的な生産地
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ミナスジェライス州:バランスの良いナッツ系の風味
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サンパウロ州:チョコレートのような甘み
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バイーア州:比較的新しい産地でスペシャルティコーヒーが増えている
各地域ごとに気候や土壌が異なり、それぞれの個性を持ったコーヒーが生産されています。
ブラジルのコーヒー品種
ブラジルで主に栽培される品種には、以下のようなものがあります。
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ブルボン:風味豊かで甘みがあり、酸味は控えめ。特にイエローブルボンは、よりフルーティーな印象を持つ。
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ムンドノーボ:ティピカとブルボンの自然交配種で、耐病性が強く、収穫量が多い。コクがあり、甘みとボディがしっかりしている。
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カトゥアイ:ムンドノーボとカトゥーラの交配種。生産性が高く、風味のバランスが取れている。赤と黄色の品種があり、イエローカトゥアイはより甘みが強い。
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カトゥーラ:ブルボンの突然変異種で、木が小さく栽培しやすい。酸味と甘みのバランスが良い。
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アカイア:ムンドノーボの選抜品種で、大粒の豆を持ち、ナッツやチョコレートの風味が豊かでありながら、やや明るい酸味も持つ。
これらの品種は、ブラジルの大規模生産に適しており、安定した品質と収穫量を確保するのに役立っています。
ブラジルのコーヒー生産と機械化
ブラジルのコーヒー農園の大きな特徴は、平坦な土地が多いことです。多くのコーヒー生産国では山岳地帯の傾斜地で栽培されることが一般的ですが、ブラジルでは比較的なだらかな地形の農園が多いため、機械収穫が可能になっています。
そのため、コーヒーチェリーの収穫は手摘みではなく、専用の収穫機を使うことが多く、労働コストの削減と安定供給が可能になっています。機械化によって一度に大量の収穫ができるため、世界最大のコーヒー生産国としての地位を支える要因の一つになっています。
ブラジルのコーヒー規格
ブラジルのコーヒーは、品質の安定性にも優れています。その理由のひとつが、しっかりとした等級制度です。ブラジルでは、豆の大きさ(スクリーンサイズ)と欠点の少なさで品質が評価されます。
等級制度のポイント
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スクリーンサイズ:豆の大きさを示し、数字が大きいほど豆も大きくなる。特にスクリーン17や18は高品質とされる。
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欠点の数によるランク付け:最も高品質なのが「No.2」で、欠点が少なく、きれいな豆が揃っている。その次が「No.4」「No.6」と続き、数字が増えるほど欠点が多くなる。一般的に流通しているコマーシャルグレードはNo.6あたりが中心。
ところで、「No.1」という等級がないのは不思議に思いませんか? 実は、ブラジルの等級制度には「No.1」が存在します。ただし、欠点ゼロの豆はほぼ存在しないため、実際の取引では使用されません。そのため、実質的に「No.2」が最高品質として扱われています。スペシャルティコーヒーに分類される豆の多くはNo.2に該当し、さらに風味が優れていればプレミアム価格がつくこともあります。
シングルオリジン vs ブレンドでの使い方
ブラジルのコーヒーはブレンドのベースとして優秀ですが、シングルオリジンでも楽しめます。ナチュラル精製の豆は甘みとナッツ感が際立ち、深煎りにするとチョコレートのような風味が増すため、カフェラテやカプチーノにもよく合います。
まとめ
ブラジルのコーヒーは、ナッツのような香ばしさとチョコレートのような甘み、そして控えめな酸味が特徴です。機械化が進んだ安定した品質、豊かな風味、そしてブレンドにも適した万能さを持つ、世界中で愛されるコーヒーです。
当店では、そんなブラジル産のコーヒー豆を丁寧に焙煎し、鮮度の高い状態でお届けしています。ヒーター式焙煎機を使用することで、クリーンな味わいを最大限に引き出し、ブラジルコーヒー特有の甘みとコクを存分に楽しめる一杯に仕上げています。
シングルオリジンとしてじっくり味わうのも良し、ブレンドのベースとして自分好みのアレンジを楽しむのも良し。ぜひ、当店の焙煎したブラジルコーヒーをお試しください。きっと、あなたのお気に入りの一杯になります。