2025/04/03 15:40
「コーヒーなのにワインのような香りがする?」
そんな不思議な体験をしたことはありますか?
最近、スペシャルティコーヒーの世界で話題になっているのがアナエロビック製法(嫌気性発酵)。通常の精製方法では味わえない、フルーティーでスパイシーな独特の風味を生み出すこの製法は、熱狂的なファンを生み出す一方で、「やりすぎでは?」という声もあります。
今回は、そんなアナエロビック製法の魅力と議論の的になっている理由を探っていきます。
アナエロビック製法とは? 発酵の力で生まれる新しい風味
発酵でコーヒーの味が変わる?
コーヒー豆は、もともと果実の種。
収穫後、果肉を取り除いて豆を乾燥させるのですが、その途中で微生物の力を借りて発酵させることで風味が変化します。
アナエロビック製法では、この発酵を酸素のない環境で行うのがポイント。
ワインや日本酒のように、発酵環境をコントロールすることで、甘みや香りに独特の個性が加わるのです。
アナエロビック精製の流れ
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完熟したコーヒーチェリーを収穫
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密閉タンクで発酵(酸素を遮断し、タンク内で微生物の活動を促す)
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乾燥・精製(その後、豆を取り出して乾燥・脱穀)
特に「カーボニックマセレーション」という手法では、ワインの発酵技術を応用し、炭酸ガスを使ってさらに独特なフルーティーな風味を引き出すこともあります。
どんな味になるの? アナエロビックならではのフレーバー
さて、肝心の味ですが、一般的なコーヒーとは一線を画す個性派です。
アナエロビック製法の代表的な風味
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ワインのような芳醇な香り
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トロピカルフルーツやベリーのような甘酸っぱさ
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シナモンやクローブのようなスパイス感
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なめらかな口当たりとまろやかな甘み
特に、エチオピアやコロンビアのアナエロビック製法の豆は、赤ワインやチェリーのような果実感が強調される傾向にあります。
一方、ブラジルのアナエロビックは、チョコレートやキャラメルのような甘みが際立つことが多いです。
「コーヒーの概念が変わった!」という人もいれば、「発酵の風味が強すぎて苦手…」という意見もあります。
では、なぜこの製法は賛否両論を呼んでいるのでしょうか?
アナエロビック製法は是か非か? その魅力と課題
熱狂的な支持を集める理由
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これまでにないユニークなフレーバー
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スペシャルティコーヒー市場での差別化
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微生物の働きを活かした科学的アプローチ
コーヒーの可能性を広げ、新しい味わいを楽しめるのが最大の魅力。
特に、エスプレッソにすると果実の甘みが際立ち、ミルクと合わせるとスイーツのような風味が楽しめます。
批判的な意見も…
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コーヒー本来の味ではなく、発酵の味が強すぎる
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品質のばらつきが大きい(ロットごとに味が変わる)
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伝統的なコーヒーの魅力が損なわれるのでは?
実は、一部のバリスタやコーヒー愛好家の間では**「コーヒーの味を微生物に頼りすぎているのでは?」**という声もあります。
「フルーティーで複雑な風味を楽しみたい派」と「シンプルで豆本来の味を楽しみたい派」の間で意見が分かれるのも頷けます。
未来のコーヒーはどこへ? アナエロビック製法の可能性
「アナエロビックは一時の流行なのか、それとも未来のコーヒーの主流になるのか?」
現在、アナエロビック製法は、他の発酵技術との組み合わせも進んでいます。
例えば…
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ハニープロセス × アナエロビック(甘みと発酵のバランスが絶妙)
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ナチュラル × アナエロビック(より果実感が強調される)
こうした新たな試みが続く中で、発酵のコントロール技術が向上すれば、より安定した品質のアナエロビックコーヒーが増えるかもしれません。
また、アナエロビックの技術が確立されれば、**「発酵度合いを調整して、好みの味わいを作る」**なんてことも可能になりそうです。
まとめ:あなたはアナエロビック派? それとも伝統派?
アナエロビック製法は、コーヒーの世界に新たな可能性をもたらした革新的な技術です。
「今までにない味わいを楽しみたい!」という人にはピッタリですが、
「シンプルなコーヒーの美味しさが好き」という人には少しクセが強いかもしれません。
まだ試したことがないなら、ぜひ一度飲んでみてください。
あなたは、アナエロビックコーヒーの魅力にハマる派? それともやっぱり伝統派?
感想や意見があれば、ぜひコメントで教えてくださいね!