2025/05/28 16:11

朝、手に取るコーヒー。その湯気の向こうに、20億人が動くマーケットがあることをご存じですか?

コーヒーは、もはや飲み物ではありません。経済であり、文化であり、人類の習慣そのものです。そんな巨大な世界を、“数字”でのぞいてみましょう。

読むうちに、いつもの一杯がちょっとだけ特別になるかもしれません。


世界のコーヒー、ここまで来てます

・【1日あたりの世界のコーヒー消費量:20億杯】
1秒間に約2万3千杯が飲まれている計算。つまり、この記事を読み終えるころには、100万杯以上が世界中で消費されていることに。

・【年間消費されるコーヒー豆:およそ960万トン】
象に換算すると約160万頭分の重さ。地球全体が目覚めようとしている重量感です。

・【コーヒー大国フィンランド:1人あたり年12kg超】
毎日3〜4杯が当たり前。冬が長い国では、コーヒーは暖をとる文化そのものになっています。


飲む人、売る人、買う人──コーヒーの経済をのぞく

・【世界のコーヒー市場規模:年間約40兆円】
これは世界のビール市場に匹敵。つまり、コーヒーは酒にも負けない“大人の嗜好品”です。

・【もっとも高価なコーヒー豆:1杯数万円】
パナマの「エスメラルダ農園 ゲイシャ」は、国際オークションで1ポンド1000ドル超(約15万円)
つまり、1粒あたり約100円。まさに“飲む宝石”。

・【コーヒー1杯500円。そのうち、生産者に届くのはわずか5〜10円】
この不均衡から生まれたのがフェアトレード運動。一杯の選び方が、誰かの暮らしを変えることも。


栽培現場のリアルな数字

・【コーヒー1kgを作るのに必要な水:2万リットル】
500mlペットボトル4万本分。カップ1杯(140ml)の背後に、シャワー50回分の水が隠れています。

・【生産国の数:70カ国以上】
ただし、収入の9割以上をコーヒーに依存する国も少なくない。コーヒーは一部の国にとって命綱。

・【標高と品質の関係:標高が100m上がると味が変わる】
高地では昼夜の寒暖差が大きく、豆がゆっくり成熟することで、複雑な酸と香りが生まれます


コーヒーの歴史、時間軸で見てみよう

・【発見から約1,000年】
エチオピアの羊飼いカリディが、興奮したヤギを見て気づいたと言われるのが始まり。
**「コーヒーの起源はヤギ」**という話、ちょっと面白くありませんか?

・【日本の缶コーヒー市場:年間9,000億円】
これはおよそスターバックス全世界売上の約半分。缶コーヒーだけでそれだけ回っているのです。

・【1杯の時間:平均4分。人生で飲むコーヒーの時間:4万時間以上】
これ、**2年以上の人生を“コーヒーと過ごしている”**ことになります。


数字の向こうに、人の営みが見える

数字は冷たく、無機質なものだと思われがち。でも、コーヒーの世界ではちょっと違います。そこには、生産者の息遣い、消費者の習慣、そして経済のうねりがしっかりと刻まれています。

数字を見ると、コーヒーが人間らしく見えてくる。

次にコーヒーを手に取るとき、価格の裏にある物語や、水の流れ、地球の向こうの誰かを、ほんの少しだけ思い出してみてください。

そして、今日の一杯を**“選んで”**みてください。
あなたの選んだ豆が、世界のどこかで、誰かの未来を明るくしているかもしれません。